2018年9月13日木曜日

古めのノートPCで使えるLTE対応の内蔵モデムカード

手持ちの古いノートPC(ThinkPad X61sとX201)にWWAN機能を追加しようと色々調べたので、備忘にまとめてみました。

LTE通信対応のノートPCのほとんどは、SierraWirelessのAirPrimeというデバイスを使ってLTE通信を実現しているようです。
このモデムカード、チップセットはQualcommのMDM9xxxシリーズが使われているそうな。

AirPrimeには、M.2接続のEMシリーズと、miniPCIe接続のMCシリーズがありますが、古めのノートに接続することを念頭に調べたので、MCシリーズに絞っています。

尚、MCシリーズは、miniPCIe形状ですが、実際にはminiPCIeソケットのUSB信号のみを利用します。
ですので、miniPCIeソケットにUSB信号が来ていないデバイスでは利用できません。

また、お約束ですが、USB信号が来ているminiPCIeソケットがあっても、ノートPC本体にSIMスロットがないと、せっかくモデムカードをセットしても、SIM情報を読み込めない為にLTE通信ができません。

モデムカードを購入する前に、お手元の環境がこれらの前提を満たしているのを事前に確認するようにして下さい。


MCシリーズのうち、LTEに対応しているものは以下の通りです。

AirPrime MC7304
AirPrime MC7305
AirPrime MC7330
AirPrime MC7350
AirPrime MC7354
AirPrime MC7355
AirPrime MC7430
AirPrime MC7455
AirPrime MC7700
AirPrime MC7710
AirPrime MC7750

このうち、日本国内のキャリアをサポートしているのは以下の3つのみでした。
この3つについては、技適マークが付いたものが存在すると思われます。

AirPrime MC7430

    LTE : 1,3,5,7,8,18,19,21,28,38,39,40,41
    3G  : 1,5,6,8,9,19

最もバンドのカバレッジが高く、3キャリアの主要周波数帯を全て網羅しています。
3キャリアの公式ページにもこのデバイスについての記載があるので、各キャリア向け、及びSIMフリー版のSKUが存在すると思われます。
利用可能な3つの中で最も自由度が高いですが、価格も高いです。

AirPrime MC7330

    LTE : 1,19,21
    3G  : 1,5,6,19

docomoおよびそのMVNO向け。
東名阪エリアで展開されているLTE Band 3はサポートしていないですが、カバレッジの広い1500MHz帯(Band 21)に対応しています。
加えて、800MHz帯(Band 6,9)に対応しているため、800MHz帯のみで展開している山間部エリアでもLTE/3Gともに通信可能です。
但し、幻のデバイスで、利用可能な3つの中で、最も入手性が低いです。
(私は、実物はもちろん、ネット上で売られているのも見たことありません。)

■AirPrime MC7700

    LTE : 1,4,17
    3G  : 1,2,5,6

こちらもdocomoおよびそのMVNO向けです。
docomoの対応バンドのうち、サポートしているのはLTEではBand 1のみ、3GではBand 1,6のみと貧弱で、800MHz帯のみで展開している山間部エリアでは、3Gにハンドダウンします。
但し、3つの中では、最も入手性が高く、廉価です。

それ以外のデバイスの中にも、技術的には使えるものもありますが、日本国内に在住している人が使うと電波法違反になりますので、ご注意下さい。


私が調べた限りは以上なのですが、万が一上記以外に技適マークがついているものを見かけたら教えて下さい。